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2004年12月17日
「陰翳礼讃カフェvol.001」
日時:12月21日 20:00〜22:00
会場名:名古屋市西区 円頓寺商店街内「藁の棲」
お問い合わせ先:
大島秀斗:hide-to@td5.so-net.ne.jp
HP :http://www.geocities.jp/waranosumika/
内容:「たとえば我々が毎朝食べる赤味噌の汁など
も、あの色を考えると、昔の薄暗い家の中で発達
したものであることが分る。私は或る茶会に呼ば
れて味噌汁を出された事があったが、いつもは
何でもなくたべていたあのどろどろの赤土色をし
た汁が、覚束(オボツカ)ない蝋燭のあかりの下で、
黒うるしの椀に澱んでいるのを見ると、実に深みの
ある、うまそうな色をしているのであった。その外
醤油などにしても、上方では刺身や漬物やおひた
しには濃い口の「たまり」を使うが、あのねっとりと
したつやのある汁がいかに陰翳に富み、闇と調和
することか。また、白味噌や、豆腐や、蒲鉾や、
とろろ汁や、白身の刺身や、ああ云う白い肌のも
のも、周囲を明るくしたのでは色が引き立たない。
第一飯にしてからが、ぴかぴか光る黒塗りの
飯櫃(ビツ)に入れられて、暗い所に置かれている
方が、見ても美しく、食欲をも刺戟する。あの、炊き
たての真っ白な飯が、ぱっと蓋を取った下から暖か
そうな湯気を吐きながら黒い器に盛り上がって、
一粒、一粒真珠のようにかがやいているのを見る
時、日本人なら誰しも米の飯の有難さを感じるで
あろう。かく考えて来ると、われわれの料理が常
に陰翳(インエイ)を基調とし、闇と云うものと切っ
ても切れない関係にあることを知るのである。」
谷崎潤一郎「陰翳礼讃」より。
名古屋市都心、円頓寺商店街。
ストローベイルによる陰翳ある場所を試作中。
蜜蝋の灯りと藁に塗り込んだ土壁の凹凸から
生まれる陰に包まれる不思議な時間。
ほどよい音楽と少しのお酒で彩付けます。
candlenight : 2004年12月17日 15:39