今年は、テレビ番組との連動という実験をしました。
やはり"エコ番組"での取り上げだったために、
"電気を消しても、キャンドルつけてたらCO2出ているのでは?"
というメールを頂いております。
ご意見いただけること、とても有り難く感じています。
わたしたちにとって"環境"ということばは、
"まわりを取り巻く周囲の状態や世界"の意味が強いのかもしれません。
「いい環境で仕事をしている」「いい環境に住んでるね」のときの"環境"
とでも言うのでしょうか・・・。
わたしたちが抱えている問題は、
地球温暖化やCO2だけではなく、
もっと身近な家族のこと、働く場所のこと、地域のこと、
いろいろあると考えています。
温暖化がたとえストップしても、
わたしたちの家族や地域、国が抱える問題が改善されずに、
持続可能な未来はあるのでしょうか。
家族でキャンドルナイトだから、とろうそくを囲んで食事をする
仕事場の窓から東京タワーが消えるのをみて、同僚とちょっと仕事以外のはなしをする
地域で老若男女集まってイベントのためにたくさんのキャンドルを並べる
バラバラになってしまったいろいろを
つなぐ"きっかけ"にキャンドルナイトがなればと思っています。
100万人のキャンドルナイトがCO2削減運動ではなく、
もっと広義の目的を含む環境文化運動であることは
来年に向けてこれからウェブサイトにてわかりやすく説明していく予定です。
キャンドルナイトは7月7日まで続きます。
でんきを消して、スローな夜を。
●よびかけ文
私たちは100万人のキャンドルナイトを呼びかけます。
2009年の夏至、6月21日、夜8時から10時の2時間、
みんなでいっせいにでんきを消しましょう。
ロウソクのひかりで子どもに絵本を読んであげるのもいいでしょう。
しずかに恋人と食事をするのもいいでしょう。
ある人は省エネを、ある人は平和を、
ある人は世界のいろいろな場所で生きる人びとのことを思いながら。
プラグを抜くことは新たな世界の窓をひらくことです。
それは人間の自由と多様性を思いおこすことであり、
文明のもっと大きな可能性を発見する
プロセスであると私たちは考えます。
一人ひとりがそれぞれの考えを胸に、
ただ2時間、でんきを消すことで、
ゆるやかにつながって「くらやみのウェーブ」を
地球上にひろげていきませんか。
2009年、6月21日、夏至の日。よる8時から10時。
でんきを消して、スローな夜を。
100万人のキャンドルナイト。
●からっぽの時間
「100万人のキャンドルナイト」は、無理して電気を消したり、
大声をあげて反対を叫ぶ運動ではありません。
みんなが電気を消すことが、地球温暖化の防止になるということが
目的でもないのです。
テレビや部屋の照明は落としても、ラジオは聴いていたいし、
携帯電話で話したい、そういう普段の暮らしの事情をやめてまで、
ろうそくの灯りで過ごしても、無理をすることの先にあたたかい未来があるとは思えないのです。
普段の暮らしをしながらも、過剰な電飾の明かりにまみれた日常から少しだけ、
自然の光だけで「過ごしてみる」。
1年のうちたった2時間、好きなろうそくの灯りをともしてみる。
この時間をどういう風に過ごすのかも、みなさんのアイディア次第です。
恋人と2人きりの時間。久しぶりの友達と会ってお酒を飲みながら語る時間。
音楽を聴きながら1人きりで過ごす時間。
そうして1人1人が過ごす時間の先の未来にわたしたちが描いているのは、
自然であたたかい平和な地球の姿です。
100万人のキャンドルナイト実行委員会、7人のよびかけ人、
パートナーの環境省は、最初のいいだしっぺにすぎません。
みなさん一人一人が主催者です。
相反する考え方の趣旨を持っていてもかまわないのです。
普段から大量の電気をつかっているから参加できない、なんてことはないのです。
そんなゆるやかな繋がりがつくる時間を私たちは「からっぽの時間」と呼んでいます。
●石のスープ(ウェブ制作スタッフブログの「石のスープ - Sopa de pedra」 より転載)
「石のスープ」っていうポルトガル民話をご存知ですか?
キャンドルナイトの仕事をしていると
僕らがやっていることはまさにこの話のことだなって思います。
おなかがすいた僧侶がある村に立ち寄った時に
「スープができる不思議な石を持っています。鍋と水だけでも貸してください」
といって民家から鍋と水を借りる。さらに他の民家に行って、
「この石が古くなっているので味が薄い、塩だけでも貸してください」
といって今度は塩を借りる。こうやって小麦や野菜や肉もあつめて
ものすごいおいしいスープをつくる、という話。
キャンドルナイトの作業はまさにこんなかんじ。
日本時間の夜な夜な、ロンドン時間の昼間、スカイプにあつまってみんなで作業。
「ここをもっとこうしたいな」って誰がいうと
「じゃあ僕が画像つくるから、何々君はデータアップロードして」
みたいにして、ひとつのサーバーを囲んでみんなで材料を放り込む。
気がつくとホームページができあがっている。
会社組織とはぜんぜん違う、個々が自律分散協調しながら
何かができあがっていく面白さがここにはあります。
会社組織では上司やクライアントの命令が主導権を握ることになりますが、
ここでは手を動かした人が主導権を握ることになります。
これは、ホームページの作成の話だけのことではなくて、
キャンドルナイトという企画自体この石のスープのようだなと思います。
キャンドルナイトという時間に、いろんな人が集まってそれぞれの場所で、
それぞれの人たちが、それぞれの思いを込める。
もはや誰も全体像を理解しきれていないんじゃないだろかと思う。
みなさんも思い思いの材料を放り込んでみてはいかがでしょう。
でんきを消して、スローな夜を。
---
ITO
Hello – I searched and found it. Thanks for the post. George McLen