飲食しない人間はいないけれども、本当に味を良く分かっている人というのはそうそういないものだ、という意味です。本当に味を良く分かっているというのは、その季節に一番美味しいものを知っているとか、素材そのものを活かした料理ができるとか、様々ですが、いずれにしても、常日頃から味覚を鍛えておくことが大切です。
ファーストフードのハンバーガーやコーラもたまにはいいものですが、季節関係なく常に同じ味の食べ物ばかり口にしていては、味覚はあっという間に衰えてしまいます。せっかく「旬のもの」「初もの」と季節ごとに美味しいものを食べられる文化に生きているのだから、ただエネルギー補給のためだけに食べ物を食べるのではなく、本当に味を知ってすする食事の方が人生も味わい深いものになります。まずはご飯と、初夏の季節ものを合わせて、自分なりの夏の味わいを食卓に並べてみてはいかがでしょうか。
これからの梅雨の季節は、長雨が何かとうっとうしいものですが、この時期の雨は秋以降に実る作物が良く育つための自然の尊い恵み。秋や冬にはまたやってくる季節の味わいを楽しみに想えば、梅雨もありがたいなあ、と心でじんわり感じることができます。
むすび書き:香音(かのん)