「イスラム暦のラマダン月には、夜明けから日の入りまで断食をします。ラマダンってすごく禁欲的なものだという先入観をもって見ていたんだけど、何年か前にモロッコに行ってみたら、むしろみんなお祭り気分で楽しそうでした。特に、日の入り後の食事を待ってるときは、大の大人たちまでみんなソワソワ、ワクワクしている。
100万人のキャンドルナイトは、よくある「環境イベント」とは大きく違うところがあるんですよね。
「そう、キャンドルナイトは、パーティ。そこでは、ふだんの忙しい生活では忘れてしまいがちなSmallで、Slowで、Simpleいう3つのSが姿を現して、ぼくたちの価値観を組み替えてくれる場所なんだと思う。」
キャンドルナイトとは、辻さんにとって、そういう1回1回がすごく思い出深い、大切なパーティです。
お話を聞いた皇居の庭で、辻さんが座った大木の根っこは、ゾウの足のように力強く生え、木々の間をさっと爽やかな風が吹き抜けました。辻さんが呼びかける力強い声が空まで届いて、地球が聴こえない声で答えてくれたような気がしました。 むすび書き:香音(かのん)